資産運用ってしてます?
わたしが、
もしかして銀行にお金を預けているのはもったいないんじゃないの?やっぱりそうだ!自分で増やしていこう!
と思い立ったのは半年前の2017年秋。
最初は株・投資信託からはじめ、気づいたら仮想通貨、ロボアドバイザーといったそれまでよく知らなかったものに手を出していました。
そのあいだ常に頭にあったのは楽しみながら資産を増やしたい、ということ。
生活を豊かにするために資産運用するのに、きつい思いとか膨大な勉強をしないといけないなら、本末転倒だと思うんですよ。
そんなわたしが投資しているのは今は5種類。
①仮想通貨、②個別株式、③投資信託、④ロボアドバイザー、⑤IPO(新規株式上場)
一部かぶるもの(個別株式とIPO、投資信託とロボアド)が入っていますが、特性が違うので分けています。
今回は、運用を始めてから半年時点の各資産の増減結果を振り返ります。
そして、そこから分かった各投資対象の特性を踏まえ、特に初心者はどんな投資先を選ぶべきか考察し、シェアさせていただきます。
半年間の資産運用の集大成のつもりなので、長くなりますがご容赦を。
まず金融資産の特徴を把握
まさに身銭を切って分かったのは、それぞれの投資対象には「運用期間」「リスク・リターン(ボラティリティ:価格変動性)」という点で特徴があるということです。
私が投資しているのは以下の通りです。
①仮想通貨
②個別株式
③投資信託
④ロボアドバイザー
⑤IPO(新規株式上場)
これを「運用期間」「リスク・リターン(ボラティリティ:価格変動性)」という2軸で分類するとこうなります。
リスク・リターン(ボラティリティ)という点では、
仮想通貨>>>個別株式>投資信託
運用期間については自分のスタンス次第で選べます。
ただIPOは初値売り抜けがが基本と考えると超短期、ロボアドバイザーは20年くらいの積立て前提で高リターンを目指すので長期が前提、となります。
投資先を検討するときには、自分のスタンス(ハイリスク・ハイリターンをとるのか、安全性を優先するか。短期的なリターンを求めるか、長期的に増やすか)を決めた上で、このマッピングを頭に置いておくと選びやすいです。
投資先は多いほどいい?
上であげた5種類(仮想通貨、株式、投資信託、ロボアド、IPO)以外にも、投資先は無限にあります。
外貨、債券、先物、不動産、現物(金)など。
しかし、私は資産運用に本腰を入れるのであれば投資先を絞るべきだと思います。
なぜなら、真剣にリターンを上げるには、投資先の外部環境(政治・マクロ経済・社会情勢・技術革新・競争環境など)や、内部環境(新規開発・マーケティング・提携など)の情報を日々仕入れて、値動きとの相関に関する感覚を磨く必要があるからです。
それをしようとすると、ウォッチできる投資先の数は絞られてくると思います。
そして、なにより資産運用が「楽しくない」ものになってしまいます。自分の興味のないものの値動きまで追わないといけなくなるので。
もしリスク分散のために投資先を増やしたいと思うのであれば、今は「ロボアドバイザー」という手があります。
例えばロボアド最大手のWealthNaviは、ポートフォリオは「米国株」「日欧株」「新興国株」「米国債券」「金」「不動産」で組まれています。
実際は『6~7銘柄の海外ETF(上場投資信託)で運用。実質的には約50か国の11,000社以上に国際分散投資』しているそうです。
これだけ分散投資しているなら、リスク分散としては十分なはず。
各投資先の運用成績!
結論からいうと、半年の運用成績は以下の通りです。
①仮想通貨: +75%
②個別株式: +37%(Amazon)、+17%(Apple)
③投資信託: +3%(国内)、+1%(新興国)、▲3%(先進国)
④ロボアド: ▲6%(ウェルスナビ)、▲1%(THEO)
⑤IPO: ±0% ※まだ当たり無し
①〜③は見事にボラティリティの順番に並びました。ここからはそれぞれの中身を見ていきます。
仮想通貨
運用結果
仮想通貨は半年で+75%のリターン。一時期は+600%(元手の7倍!)までいきました。
今は暴落中ですが、それでも原価割れはしていない状況です。株式などに比べると、文字通り桁違いのリターンです。
【参考】ビットコイン1年間の値動き
半年で得た教訓
教訓①:仮想通貨は投資先として安心できるものではない
- たった半年の間で、数日で価格が倍になる・半額になる、を何度も経験しています。
私はたまたま参加したタイミング(2017年秋)がよかっただけで、もし価格がピークの2018年頭に参入していたら、今は▲50%くらいになっています。
仮想通貨が爆下げ⇒上昇⇒爆下げ。どう身を守るか?
仮想通貨が暴落。買い増す?売る?それとも他に手を出す?
仮想通貨を買うなら、暴落に対する耐性をつけないと
2018年1月16日〜17日の仮想通貨暴落はなぜ起きたのか - コインチェック事件に巻き込まれ、資産が▲25%目減りしました。
2018年1月26日に最大手のコインチェック取引所から、仮想通貨NEM580億円が盗まれた事件です。
私はコインチェックをメインの取引所にしていました。仮想通貨もそこに預けていたのですが、事件後にコインチェックが全ての仮想通貨の取引を停止したため、その後の下落相場で売却することができませんでした。
取引が再開されたのは1か月半後。その間に私の資産は3/4に目減りしました。
コインチェック事件の全容と2日目の動き。ホワイトハッカーの活躍 - セルフGOXしてしまいました。自分のミスで仮想通貨を失ってしまうことです。
コインがハードフォークしたのを知らず送金したためです。こういうトラブルにはこれからも遭遇する気がします。
セルフGOXなんて関係ない、と思うあなたに読んでもらいたい怖いお話
教訓②:価格が急上昇したときは、ある程度利益確定した方がいい
- 上昇相場では、一度手放すともう今の値段では手に入れられないので売りたくない、と思ってしまいがちです。ただ2018年に入ってからの暴落でそんなことはないと気付きました。
仮想通貨が爆下げ⇒上昇⇒爆下げ。どう身を守るか? - 仮想通貨は源泉徴収といった仕組みがないので、基本的に年間20万円以上利益が出た場合は自分で確定申告する必要があります。
私はこれが面倒だと思い、売却をぐずぐず伸ばしましたがその間に暴落がやってきました。確定申告の手間を惜しまず利益確定すべきでした。
仮想通貨にかかる税金をいちばん簡単に解説。確定申告が不要なこともありえます
教訓③:でも楽しい
- 仮想通貨は基本的に「ブロックチェーン」という技術を使っています。その技術を使ったサービスの可能性は限りなく広い。仮想通貨もそれぞれのプロジェクト・サービスの株式のような扱いだったりします。
つまり自分が応援したい・伸びると思うプロジェクトを見つけて投資する、といった楽しみがあります。 - コミュニティが賑やかなコインがある。
例えばまだマイナーなコインXPでは「Discord」というアプリで保有者が盛り上がっています。「rain(投げ銭)」という仕組みがあり時々祭りになります。
XPのコミュニティdiscordに参加する方法 - そもそもモノに値段が付くのはなぜか、と考えるクセがつく。
仮想通貨に投資しているというと「実体がないのに値段が付くのがおかしい。無価値だ。ただのバブルだ」と言われることがあります。
これに対する明確な回答は世の中に存在していません。これの回答を考えるだけでも日々楽しくなります・・・わたしだけ?
オススメの戦略
ブロックチェーンは、世の中にあたり前のように組み込まれる技術だと思うので、それを使った仮想通貨にはなるべく早く触れて情報収集すべきだと思います。
ただ、仮想通貨に投資するなら以下3点だけは絶対に守りましょう。
- 失ってもいい余剰資産で投資する。値動きが激しすぎて、価値がすぐ数分の1になることもありえます。
- リスクヘッジをする。まず取引所は複数使う。送金するときには必ず事前にテスト送金を行う。どちらも実際に起きたトラブルから学んだことです。
仮想通貨のリスク分散に必要なのは、コインの分散に加え、取引所の分散だった
セルフGOXなんて関係ない、と思うあなたに読んでもらいたい怖いお話 - 利益確定ラインを決めておく。ずるずる売却を伸ばして暴落に巻き込まれないように事前にここまで上昇したら売却するというラインを決めておきます。
ただ、その後さらに上昇したら悲しいので、全額ではなく一部売却するようにしようと思います。
自分は、メジャーなコイン(ビットコイン、リップル)に加え、面白そうなマイナーコインにごく少額で投資していこうと思います。具体的にはXPとかStrongHands(ネタとして)です。
株式・投資信託
運用結果
半年で、個別株式は+37%(Amazon)、+17%(Apple)。
投資信託は+3%(国内インデックス)、+1%(新興国インデックス)、▲3%(先進国インデックス)。
個別株式(アマゾン・アップル)は、サービスが大好きな会社の株を選びました。たまたま大きく伸びましたが、リターンを期待していたわけではありません。応援する気持ちで株を買いました。
Amazon株1年間の動き
Apple株1年間の動き
投資信託は選ぶのが面倒なので、単純なインデックスファンドを積立で買っています。どれも2017年内は「適温相場」と呼ばれた世界的な株価上昇により、大きくプラスになっていましたが、2018年に入ってから、全般的に下げ傾向に入り、今は小幅のプラスです。
日経平均株価1年間の動き
半年で得た教訓
教訓①:個別株・インデックス投資信託の動きを予測するのは難しい
- 私はiPhone Xの発表でAppleの株価が上がると予想し、Apple株を追加購入しました。が予想は外れ横ばい。
Appleの新製品発表は株価変動につながったか - Amazon株については、1月の世界的な株価下落を受け、Amazonも下がるのではと思い、一部売却しました。がこちらも予想は外れ、上昇が続きました。
- インデックス投資信託の予測はむりだと体感しました。ミクロでいうと米国雇用統計の結果とか為替相場の動きなどに影響を受けて動きます。ただ変数が多すぎて、結局インデックスファンドの動きを読むのは、今後の景気動向を読むのと同じ難しさだと実感しました。
オススメの戦略
個別株式・投資信託とも、値動きを読むにはそれなりの努力と経験が必要になります。時間があればじっくり取り組んで勉強するのもいいでしょう。
でも、楽しく投資したければ、以下の方針でいけばいいと思います。
- 個別株式は、自分がよく知っている好きな会社の株を買う。そういう会社の情報は自然と自分の目にとまるので、株の値動きとの関係が見えてくるようになります。
もうかればラッキー。もうからなくても、値動きと周辺環境の相関を勉強できるし、好きな会社を応援している気持ちになれる。 - 投資信託は、積立投資にしてリスクを分散する。
個人的には、投資信託はロボアドバイザーに任せて、手を引いてもいいかなと思っています。
ロボアドバイザー
運用結果
ロボアドバイザーは、ウェルスナビ、THEOという大手2社ともマイナスという成績になりました。▲6%(ウェルスナビ)、▲1%(THEO)です。
ウェルスナビは『円建て』だと「株式」「債券」「現物(金・不動産等)」すべてでマイナス。ただし『ドル建て』だとほぼプラス。
ドル建てで運用しているんですね。円高が進んだので円建てだとマイナスに。
まあロボアドバイザーは10年単位の長期運用で実力を発揮するようなので、こうなるのもしょうがないかと思っています。
【ウェルスナビのポートフォリオ(円建てとドル建て)】
半年で得た教訓
教訓①:ロボアドバイザーは市場環境が良くても短期的にはマイナスとなることも
- 自分が選んだインデックスファンドがプラスなのに、AIが運用するロボアドバイザーの成績がマイナス。そんなこともあるんですね。
きっと、長期的に見たらプラスになるよう先を読んで買っているんだと信じます。
教訓②:なにも考えなくていいのでとにかく楽
- 放っておくだけで数十カ国の1万社以上に国際分散投資してくれます。
自分でリスク分散のために分散投資する必要はありません。
ロボアドバイザーとは?大手2社WealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)はどちらがいい?
オススメの戦略
とにかくラクなので、ロボアドバイザーのコンセプトである「長期的にリターンを出す」ことに納得がいけば、淡々と積み立てればリスク分散した投資ができます。
ただこんなデメリットがあるのでそこは理解しておきましょう。
- 短期間でのリターン獲得には向かない。10〜30年程度かけた資産育成のイメージ
- 思い入れのある会社に投資する、ある地域・国が伸びると思うのでそこに投資したい、など自分のこだわりは反映できない
- 投資信託と比べると手数料が高い。といっても1%ですが
IPO
運用結果
証券会社4社に口座を作りIPO当選を狙ったんですが、これまで1件も当選せず。というわけで成績も±ゼロです。
「やさしいIPO」アプリなどを使えば、初値割れのようなリスクがある案件を避けられるため、リスクが低くリターンが高い投資だと思っています。
神アプリ!「やさしいIPO株のはじめ方」を使いこなして当選率Up!
ただ当選するのが難しいのが難点。
半年で得た教訓
教訓①:そんなに簡単には当たらない
- とにかく当たらない。半年間4つの証券会社から申込みを続けていますが、まだ当選したことがありません。
- 資金が必要。IPOに申し込むには5万円〜40万円が必要です。当選確率を上げようとしたら、複数の証券会社それぞれにこの資金を用意する必要があります。
教訓②:情報を集めることが大事
- IPOといっても上場後、値下がりする案件もあります。そういった案件に申し込んでしまうのを避けるには情報収集が大切。
といっても「やさしいIPOのはじめ方」アプリ・サイトを使えば簡単に情報収集できます。本当に感謝です。
神アプリ!「やさしいIPO株のはじめ方」を使いこなして当選率Up!
教訓③:でも楽しい
- 当選確率が低いので、宝くじみたいな感じで当選発表が楽しみです。宝くじと違って外れても損しないのがいいところです。
オススメの戦略
情報を集めれば、リスクが低く、リターンが高い投資先だと思います。
また業務内容と値動きを見ていると、世の中で評価されている業界がわかるようになります。
ただとにかく当たりづらい。また当選確率を上げるには資金が必要です。狙って当たるモノでもないので余剰資金で投資すべきです。
また、証券会社を一つ選ぶならSBI証券がオススメです。
・資金が多ければその分当選確率が上がる
・落選してもチャレンジポイントというものが貯まり当選確率が上がる
・同じ資金で複数のIPOに申し込める
IPO申込みのための証券会社比較(SBI証券、SMBC日興証券、マネックス証券、大和証券)
まとめ
資産運用初心者でも、「資産運用を楽しむ」と「リスク分散」を両立させることは可能か。
私は組み合わせで可能だと思います。また、投資先はなるべく絞るべき。
そう考えると、最初に始めるなら以下の組み合わせがよいのではないかと。
■資産運用を楽しむ
・個別株式(自分の好きな会社の株式)
・IPO
※仮想通貨(無くなっても惜しくない金額の範囲で勉強として)
■リスク分散
・ロボアドバイザー
面倒なリスク分散はロボアドに任せて、じぶんは勉強になることに専念しようというスタンスです。
いずれにせよ、まず少額ずつでも投資を「始める」ということが大事です。
あなたの資産を他のヒト(銀行)から取り戻して、じぶんの意思で動かしましょう!