取引のコツ

仮想通貨にかかる税金を一番かんたんに説明。確定申告しなくていいことも

仮想通貨にかかる税金についてまとめました。元の情報は国税庁の説明資料です。

2017年12月1日|仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)(文書①)

2018年11月|仮想通貨に関する税務上の取扱について(FAQ)(文書②)

これらを参考に、自分が感じた素朴な疑問への回答も含めて、情報をまとめました。

なお、具体的な年間利益の計算には、マネーフォワード社も株主になっているcryptact社の「tax@cryptact」というサービスが便利です。

1.仮想通貨は持っているだけで課税される?

仮想通貨を持っているだけでは課税されません。つまり含み益があっても売却するまでは課税されません。
以下は国税庁文書①の冒頭の記述です。

ビットコインをはじめとする仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。

「売却又は使用することにより生じる利益」が課税対象となるため、仮想通貨を持っているだけでは課税されない、ことになります。

2.税率はどれくらい?

仮想通貨で得られた利益に対する所得税は、給与所得等との合算額に応じて変わり、5%〜45%。他に住民税がかかります。

国税庁文書によると、仮想通貨による利益は「雑所得」。雑所得の扱いは国税庁のタックスアンサーを参考にしました。

  • No.1500 雑所得」 雑所得の金額は、給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
  • No.2260 所得税の税率」 所得税率は5%(所得195万円以下)〜45%(所得4,000万円超)

これ以外に住民税がかかるはず。億単位で利益が出たら、半分が税金で目減りしてしまいます。
株式なら2割で済むので、仮想通貨も早いところ税制を整備してほしいものです。税率だけでなく、特定口座+源泉徴収のような仕組みもほしいところです。

3.税金がかからない場合もある?

会社で年末調整をしていて、利益が20万円以下で、他に所得がなければ確定申告は不要です。
国税庁文書①の頭書きより。

(注2)例えば、年末調整済みの給与所得を有する方で、仮想通貨の売却又は使用による所得が 20 万円以下の方については、その他に所得がない場合、確定申告は不要です。 確定申告が必要となる場合については、
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm
をご覧ください。

4.ビットコイン以外の仮想通貨も課税対象になる?

イーサリアム、リップルなど、ビットコイン以外の仮想通貨も課税対象になります

2017年9月のタックスアンサーNo.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係では、「ビットコイン」と特定して書かれていたもののの、12月の国税庁からの発表では「ビットコインをはじめとする仮想通貨」に書き方が変わり、他の仮想通貨も対象になることが明示されました。

5.課税対象になる取引は?

課税対象となるのは『仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益』です。「売却又は使用」にあたる取引は以下になります。

  • 仮想通貨の売却
  • 仮想通貨での商品の購入
  • 仮想通貨と仮想通貨の交換

仮想通貨⇒他の仮想通貨に交換したときは課税対象になる?

仮想通貨から他の仮想通貨に交換する場合も「仮想通貨を使う」ことになり、課税対象になります

たとえば次の例のように、年の途中で仮想通貨間で交換した場合、日本円に戻さなくても課税が発生してしまいます
※計算を簡単にするため、仮想通貨の値段は実際とまったく違う値です。

  1. 日本円でビットコインを購入。1BTC=50万円だった。
  2. そのビットコインでイーサリアムを購入。1BTC=100万円にあがっていた。1ETH=100万円だったので1ETHを入手した。
  3. そのまま年末までイーサリアムを売却しないで保有。1ETH=200万円に上がっている。

課税対象となるのは②と①の差分、つまり「② イーサリアムに交換したときのBTCの値段100万円」と「①BTCを入手したときの値段50万円」の差分50万円です。
③と②の差分(200万円−100万円)は実現していない含み益なので課税対象になりません。

ややこしいうえに、仮想通貨⇔日本円の取引だけではなく、仮想通貨間の交換を含むすべての取引とその時点での時価を記録し、計算しないといけないので、かなり面倒なことになります。

6.複数回購入したときの取得価額の計算方法は?

2回以上購入した仮想通貨の取得価額は、どう計算するのか。国税庁文書に記載がありますが、言い回しが難しいので、そのまま記載します。

同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)

これだけだとよく分かりませんが、ありがたいことに例が載っているのでそれで見てみます。

■一年間の仮想通貨の取引例■
※BTC=ビットコイン。金額には全て支払手数料を含む
①3月9日    :200万円で4BTCを購入した。
②5月20日  :0.2BTCを11万円で売却した。
③9月28日  :15万円の商品購入に0.3BTCを支払った。
④11月2日  :他の仮想通貨購入(決済時点における他の仮想通貨の時価 60万円)の決済に1BTCを支払った。
⑤11月30日:160万円で2BTCを購入した。

BTCを購入したのは2回。①の3月9日と、⑤の11月30日です。この2回をもとに、取得価額を求めることになります。

■移動平均法を用いた場合の1BTC当たりの取得価額■

  • 3月9日時点で50万円/BTC
  • 11月30日時点で63万3,334円/BTC

①3月9日に取得した4BTCの1BTC当たりの取得価額
⇒200万円÷4BTC=50万円/BTC

  〜3月10日から 11 月 30 日までの間に1.5BTC を売却又は使用~

⑤-1:11月30日の購入直前において保有しているBTCの簿価
⇒50万円×(4BTC-1.5BTC)=125万円
【この時点での1BTC当たりの取得価額】×【この時点で保有しているBTC】

  ~11 月 30 日に2BTC を160万円で購入~

⑤-2:11 月30日の購入直後における1BTC当たりの取得価額
⇒(125万円+160万円)÷(2.5BTC+2BTC)=633,334 円
【この時点での保有しているBTCの簿価の総額】÷【この時点で保有しているBTC】

※ 取得価額の計算上発生する1円未満の端数は、切り上げして構わない。

 

■ 総平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額■

  • 60万円/BTC

(200百万円+160万円)÷(4BTC+2BTC) = 60万円/BTC
【1年間に取得したBTCの取得価額の総額】÷【1年間に取得したBTC】

国税庁文書の書きっぷりからすると、前者の移動平均法の方が無難のように思えます。ただ計算が面倒そうです。

7.フォークで分岐した新しい通貨を手に入れたときに何か課税が発生する?

フォークで新しい通貨を手に入れたとき、新しい通貨を売却又は使用せずに保有している限りは課税対象となりません
売却又は使用した場合は、取得価額をゼロ円として、課税の計算が必要です。

国税庁文書では以下の通り解説されています。

  • 得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。
  • 仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。
  • したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。
  • なお、その場合の取得価額は0円となります。

8.仮想通貨をマイニングしたら課税対象になる?

マイニングで仮想通貨を手に入れた時点で課税対象になります

マイニングで入手した時点の時価を、総収入金額に計上する必要があります。
なお、マイニングにかかった費用は必要経費に計上することができます。

9.仮想通貨の売却で所得を計算するときに経費計上できる費用は?

課税対象の所得(総収入金額ー必要経費)を計算するときに、次のようなものは必要経費に計上できます。

  • 売却した仮想通貨の取得価額
  • 売却の際に支払った手数料
  • インターネットやスマートフォン等の回線利用料、パソコン等の購入費用などについて、仮想通貨の売却のために必要な支出であると認められる部分の金額

必要経費については、次の注意点があります。

  1. パソコンなど、使用可能期間が1年以上で、かつ、一定金額を超える資産については、その年に一括して必要経費に計上するのではなく、使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費(こうした費用を「減価償却費」といいます。)とする必要があります。
  2. 個人の業務には、一つの支出が家事上と業務上の両方に関わりがある費用(こうした費用 を「家事関連費」といいます。)については、取引の記録に基づいて、業務の遂行上直接必 要であったことが明らかに区分できる場合に限り、その区分した金額を必要経費に算入することができます。

個人的には、仮想通貨取引のためによっぽど大きな支出をしていない限りは、計算する手間のほうがもったいないような気がします。
逆にマイニングマシンを購入したり、マイニングのために大量の電気を使った場合などはきちんと計算するとお得になります。

10.購入したとき、売却したときの時価がわからない場合は?

購入したときや売却したときの価格が分からなくなったらどうしたらいいか。

国内取引所の場合と、海外取引所や個人間取引の場合によって方法が違います。

国内取引所の場合、2018年1月1日の取引から、取引所から購入額・売却額などを記載した「年間取引報告書」が発行されます。手元になければ取引所に依頼すると再発行してくれるのでそれを参考に計算します。

海外取引所や個人間取引のときは、下記の通り対応してほしいとのこと。

  • 仮想通貨を購入した際に利用した銀行口座の出金状況や、仮想通貨を売却した際に利用 した銀行口座の入金状況から、仮想通貨の購入価額や売却価額を確認する。
  • 仮想通貨取引の履歴及び仮想通貨交換業者が公表する取引相場(注)を利用して、仮想通 貨の購入価額や売却価額を確認する。
    (注) 個人間取引の場合は、あなたが主として利用する仮想通貨交換業者の取引相場を利用してくださ い。確定申告書を提出した後に、正しい金額が判明した場合には、確定申告の内容の訂正(修正申告 又は更正の請求)を行ってください。

一言で言うと「頑張って調べてね」ということです。

しかしがんばらなくても解決策はあります。それは最初に紹介した「tax@cryptact」を使うこと
国内取引所も含めてこれを使うと、大量の取引でもあっという間に計算が終わります

11.損失が出たら所得と相殺できる?繰り越しは?

仮想通貨取引で損が出たら、給与収入などから減算することができるか。結論はNOです。

仮想通貨取引で損しても、他の税金が減ることはありません。
また損を翌年に繰り越すこと(翌年の利益から減算すること)もできません。

12.その他の細かい点

ここまでの情報以外にも国税庁の文書には以下の説明があります。

  • 仮想通貨で商品を購入した場合の扱い
  • 仮想通貨の証拠金取引
  • 仮想通貨を相続や贈与により取得した場合
  • 相続や贈与により取得した仮想通貨の評価方法
  • 仮想通貨による給与等の支払い
  • 仮想通貨を譲渡した場合の消費税
  • 財産債務調書への記載の要否、仮想通貨の価額の記載方法、国外財産調書への記載の要否

以下HPを参照ください。意外とわかりやすい言葉で書いてあります。

2018年11月|仮想通貨に関する税務上の取扱について(FAQ)

まとめ

仮想通貨取引に関する課税については、源泉徴収の仕組みもなく、仮想通貨間の交換でも利益を計算しないといけないので、算定はかなり面倒です。

概要はこの記事で把握していただき、実際の利益の計算は「tax@cryptact」を使うのが便利です。
国内取引所は、ビットフライヤー、コインチェック、Zaif、Liquid、bitbank、GMOコイン、FISCOに対応。
海外取引所は、kraken、BITPoint、POLONIEX、BINANCE、BITTREX、BITFINEX、CRYPTOPIA、Changelly、HitBTC、COINEXCHANGE.io、MERCATOX、CoinEx、BitMEX、BTCBOX、AIDOSMARKET、Bit-Z、に対応しています。(順次増加)
対応していない取引所の取引データもエクセルで取り込めるのでかなり便利です。

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