仮想通貨にかかる税金をいちばん簡単に解説。確定申告が不要なこともありえます

      2018/04/26


仮想通貨でもうけた場合、税金はどれくらいかかるのか、どうやって払うのか?

仮想通貨については、2017年分から初めて課税が始まるということで情報がほとんどありません。
そんな中、2017年12月1日に国税庁から発表がありました。

国税庁|仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)

どうやら、当面はこれが仮想通貨の課税に関するバイブルになりそうです。

国税庁の書類など読むのは初めてですが、意外と読みやすかったので、書かれていることについて読み解いていきたいと思います。

※2017年12月時点の情報です。一生懸命調べた内容ですがプロではないので、最終確認はご自身でお願いします。
また、誤りがあればぜひご指摘ください、修正します。

 

仮想通貨は持っているだけで課税される?

仮想通貨を持っているだけでは課税されません、と読み解けます。以下は国税庁文書の冒頭の記述です。

ビットコインをはじめとする仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益について は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分され、所得税の確定申告が必要となります。

「売却又は使用することにより生じる利益」が課税対象となるため、仮想通貨を持っているだけでは課税されない、と読めます。

保有しているだけで税金がかかる土地とは取扱いが違うんですね。そういえば、なぜ土地だけは持っているだけで税金がかかるんだろう?と思いましたが、話がそれるのでまた別の機会に。

 

税率はどれくらい?

仮想通貨で得られた利益に対する所得税は、給与所得等との合算額に応じて変わり、5%〜45%。他に住民税がかかります。

国税庁文書によると、仮想通貨による利益は「雑所得」。雑所得の扱いは国税庁のタックスアンサーを参考にしました。

  • No.1500 雑所得」 雑所得の金額は、給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。
  • No.2260 所得税の税率」 所得税率は5%(所得195万円以下)〜45%(所得4,000万円超)

これ以外に住民税がかかるはず。

億単位で利益が出ても、半分が税金で目減りしてしまうんですね。
株式なら2割で済むのに。仮想通貨も早いところ税制を整備してほしいものです。税率だけでなく、特定口座+源泉徴収のような仕組みも。

 

税金がかからない場合もある?

会社で年末調整をしていて、利益が20万円以下で他に所得がなければ確定申告は不要です。
国税庁文書の頭書きより。

(注2)例えば、年末調整済みの給与所得を有する方で、仮想通貨の売却又は使用による所得が 20 万円以下の方については、その他に所得がない場合、確定申告は不要です。 確定申告が必要となる場合については、 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2016/a/01/1_06.htm
をご覧ください。

 

ビットコイン以外のアルトコインも課税対象になる?

イーサリアムなど、ビットコイン以外のアルトコインも課税対象になりそうです。

9月のタックスアンサー
No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
では、「ビットコイン」と特定して書かれていたもののの、
12月の国税庁からの発表では「ビットコインをはじめとする仮想通貨」に書き方が変わりました。

アルトコインも課税対象にするためだと思います。

 

課税対象になる取引は?

課税対象となるのは『仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益』です。「売却又は使用」にあたる取引は以下になります。

  • 仮想通貨の売却
  • 仮想通貨での商品の購入
  • 仮想通貨と仮想通貨の交換

 

仮想通貨⇒他の仮想通貨に交換したときは課税対象になる?

仮想通貨から他の仮想通貨に交換する場合も「仮想通貨を使う」ことになり、課税対象になります

たとえば次の例のように、年の途中で仮想通貨間で交換した場合、日本円に戻さなくても課税が発生してしまいます
※計算を簡単にするため、仮想通貨の値段は実際とまったく違う値です。

  1. 日本円でビットコインを購入。1BTC=50万円だった。
  2. そのビットコインでイーサリアムを購入。1BTC=100万円にあがっていた。1ETH=100万円だったので1ETHを入手した。
  3. そのまま年末までイーサリアムを売却しないで保有。1ETH=200万円に上がっている。

課税対象となるのは2と1の差分、つまり「2. イーサリアムに交換したときのBTCの値段100万円」と「1. BTCを入手したときの値段50万円」の差分50万円です。
3と2の差分(200万円−100万円)は実現していない含み益なので課税対象になりません。

ややこしいうえに、仮想通貨⇔日本円の取引だけではなく、仮想通貨間の交換を含むすべての取引とその時点での時価を記録し、計算しないといけないので、かなり面倒なことになります。

残念・・・

 

複数回購入したときの取得価額の計算方法は?

2回以上購入した仮想通貨の取得価額は、どう計算するのか。国税庁文書に記載がありますが、言い回しが微妙なので、そのまま記載します。

同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)

 

・・・これだけだと、よく分かりません。ありがたいことに例が載っているのでそれで見てみます。

■一年間の仮想通貨の取引例■
※BTC=ビットコイン。金額には全て支払手数料を含む
①3月9日    :200万円で4BTCを購入した。
②5月20日  :0.2BTCを11万円で売却した。
③9月28日  :15万円の商品購入に0.3BTCを支払った。
④11月2日  :他の仮想通貨購入(決済時点における他の仮想通貨の時価 60万円)の決済に1BTCを支払った。
⑤11月30日:160万円で2BTCを購入した。

BTCを購入したのは2回。①の3月9日と、⑤の11月30日です。この2回をもとに、取得価額を求めることになります。

■移動平均法を用いた場合の1BTC当たりの取得価額■

  • 3月9日時点で50万円/BTC
  • 11月30日時点で63万3,334円/BTC

①3月9日に取得した4BTCの1BTC当たりの取得価額
⇒200万円÷4BTC=50万円/BTC

  〜3月10日から 11 月 30 日までの間に1.5BTC を売却又は使用~

⑤-1:11月30日の購入直前において保有しているBTCの簿価
⇒50万円×(4BTC-1.5BTC)=125万円
【この時点での1BTC当たりの取得価額】×【この時点で保有しているBTC】

  ~11 月 30 日に2BTC を160万円で購入~

⑤-2:11 月30日の購入直後における1BTC当たりの取得価額
⇒(125万円+160万円)÷(2.5BTC+2BTC)=633,334 円
【この時点での保有しているBTCの簿価の総額】÷【この時点で保有しているBTC】

※ 取得価額の計算上発生する1円未満の端数は、切り上げして構わない。

 

■ 総平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額■

  • 60万円/BTC

(200百万円+160万円)÷(4BTC+2BTC) = 60万円/BTC
【1年間に取得したBTCの取得価額の総額】÷【1年間に取得したBTC】

 

国税庁文書の書きっぷりからすると、前者の移動平均法の方が無難のように思えます。ただ計算が面倒そう・・・
後日自分で計算して大変さを調べてみます。

 

フォークで分岐した新しい通貨を手に入れたときに何か課税が発生する?

フォークで新しい通貨を手に入れたとき、新しい通貨を売却又は使用せずに保有している限りは課税対象となりません
売却又は使用した場合は、取得価額をゼロ円として、課税の計算が必要です。

国税庁文書では以下の通り解説されています。

  • 得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。
  • 仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。
  • したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。
  • なお、その場合の取得価額は0円となります。

 

商品を購入した場合の扱い、雑所得以外となる条件、損失の取扱い、証拠金取引、マイニング等については?

ここまでの情報以外にも国税庁の文書には「仮想通貨で商品を購入した場合の扱い」「雑所得以外となる条件」「損失の取扱い」「証拠金取引」「マイニング等」について記載があります。

以下HPを参照ください。意外とわかりやすい言葉で書いてあります。

国税庁|仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)

 

まとめ

仮想通貨取引に関する課税については、国税庁から正式な文書が出されたことにより、具体的な基準が明らかになりました。

準備にはかなりの手間がかかりそうだということが分かりました。

特に
・細かく利益確定をしている場合
・仮想通貨から他の仮想通貨に交換している場合
が大変そうです。

じぶんの例で計算して、大変さを調べてみたいと思います。

 

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