2018年10月24日、日経新聞夕刊に3つのニュースが並びました。
トランプ氏、FRB批判 「喜んで利上げしているようだ」
失速が近づく米国景気
中国リスクに目覚めた投資家
これを読んで、わたしは手持ちのインデックス投資信託をすべて売りました。
- 今日のニュースの内容はどれも「株価が下がることを懸念する向きが出てきた」という内容
- ニュースで「説明がつかない」「下げることを懸念する関係者がいる」をいう言葉が出はじめたら、バブルと思え!
- よって株への投資からは一時撤退
2018年10月24日のニュース
2018年10月24日、日経新聞夕刊に3つのニュースが並びました。
どれもグローバルな景気の減速を示唆する内容ですが、当然断定はしません。
- トランプ氏は利上げを進める米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長に対し「我々が素晴らしいことをするたびに彼は金利を上げる」と批判した。
- 利上げ路線は米景気を冷やすとして、中間選挙を意識してけん制した形。
- 米国景気拡大は10月末で満112カ月に達する。景気拡大の最長記録120カ月を抜く、との期待もある。
- ただ、まだ明確な米景気の暗転は生じていないが、いずれ失速する恐れがある。懸念は4つ
①これまでの景気基調が強かったうえに、年初から法人税減税を乗せたためその反動が心配
②金利の上昇。足元の好景気に呼応してFRBが利上げを持続せざるを得ない
③トランプ政権の対中国関税引き上げが9月下旬から適用され、これから家計や企業のコスト負担が本格化
④中東情勢の不安定化でエネルギー価格が上昇し米国家計を圧迫 - 当面、米株価は堅調さを取り戻してもおかしくないが、来年を中心に、米国発の景気後退と市場波乱が生じ、それが世界全体を巻き込む展開を想定すべきだろう
- キャタピラー社が3Q決算発表で、鉄鋼追加関税の影響で材料コストが増す見通しを出したことで株価は一時前日比▲10%下落。
- 中国景気の減速がグローバル企業の業績の重荷となることが懸念に。また法人税減税実施からもうすぐ1年で減税効果も一巡した。
企業業績はこの夏をピークに伸びが鈍化するとの見方が支配的になっている。 - 中国リスクは①米中の貿易戦争の深刻化を受けた関税コストの増大②中国国内の景気減速によるグローバル企業への打撃
- 「資本財・サービス」業種は世界景気を支える業種。これが10月初めの価格から▲10%下落した。問題は、高値から10%下げたいわゆる「コレクション(調整)」の水準に達したことを、割安とみる投資家の買いが入るのか、あるいはさらに下げて20%下落の「ベア相場」に入るのかどうか。
- 世界景気を支える柱のこれら株価がベア相場に入れば景気後退懸念につながるので、市場関係者は同業種の株価の動きを注視している。
このニュースのわたしの捉え方
わたしには景気を読む力はありません。
ただ、過去の経験から、ニュースのトレンドをつかむようにしています。
具体的には『ニュースで「説明がつかない」「下げることを懸念する関係者がいる」をいう言葉を見たら、バブルと思え!』と言い聞かせています。
今回はまさに、そんなケースに当てはまります。
過去の経験
「ニュースのトレンド」と「実態」の関連に気付いたのは、2017年秋〜2018年1月前半の仮想通貨バブルのときです。
ビットコインを始めとする仮想通貨の値段がどんどん上がり、取引業者はテレビCMをガンガン打つ。それを見た初心者が口座を作って取引を始め、さらに相場が上がる。
今思えば分かりやすいバブルでした。
株価はDCF法などにより(屁理屈かもしれませんが)理論的な価格を算定できます。しかし、仮想通貨にはそういった方法がありません。
よって理論値も出せないのですが、当時はなぜか「仮想通貨の適正価格はこんなものではない。中長期的にはもっと上がる」という意見が主流でした。
わたしもこっち派でした。
そんな中、バブル崩壊の1か月くらい前から次のような意見をちょくちょく目にするようになりました。
「この値上がりは理屈では説明できない。価格に実態が無い17世紀のオランダのチューリップ相場と同じだ。もうすぐはじける」
そしてその言葉の通り、2018年1月にバブルははじけ、直後のコインチェック事件でとどめを刺されて、低迷期に入ります。わたしの資産もピーク時の数分の1になりました。
経験から得た教訓
バブルの中で、『自分がいまバブルの中にいる』と気付くことはできたのか?
バブルが弾けたあとにずっと自問していました。
「おそらくできる」というのが自分なりの結論です。
ヒントはファンダメンタル分析でもなく、相場の読みでもありません。
他力本願ですがニュースを当てにします。
バブルが膨らみきる前は「このまま力強い値動きが続くだろう」という解説がほとんどです。
しかし、ニュアンスが変わり「この動きが続くと見る専門家もいるが、理屈では説明が付かないという専門家や、値下げを懸念する専門家もいる」という時がきます。
慣れていないと、期待を込めて前半の「この動きが続くと見る専門家もいる」だけしか目に入りませんが、絶対的に見逃しちゃいけないのが後半の「説明が付かない」「値下げを懸念する」関係者がいるという部分です。
これがニュースに流れるということは、その考えが一定の勢力を持ったということ。
それを読んで不安に思う人がさらに増える。
そして雪だるま式にその方向(バブル崩壊)に動く。
よって『ニュースで「説明がつかない」「下げることを懸念する関係者がいる」をいう言葉が出はじめたら、バブルと思え!』が、わたしの戒めの言葉です。
わたしが取った行動
私は悲観的なニュースが並び始めた2018年10月24日、持っていたインデックス投資信託3種(日経平均、先進国、新興国)をすべて売却しました。
1年前から積み立てていたので、利益は確保しました。
さて、これが暴落前の売り抜けとなり吉と出るか、反発の機会を逃して凶と出るか、見守りたいと思います。
まとめ
2018年10月24日のニュースは・・・
- ニュースの内容はどれも「株価が下がることを懸念する向きが出てきた」という内容
- ニュースで「説明がつかない」「下げることを懸念する関係者がいる」をいう言葉が出はじめたら、バブルと思え!
- よって株への投資からは一時撤退
さて結果はどう出るか。下がるか上がるか見守ります。