タチウオの船釣りにハマり、電動リールがどうしても欲しくなりました。
なるべく安くあげるために、いろいろ情報を探したものの、見つかるのは上級者モデルまでまんべんなく電動リールを紹介するサイトばかり。
「ライトな釣り物」に合った「初心者向けの安い」電動リールの情報が見つからなかったので、自分がほしかった情報をここにまとめていきます。
私が悩んだのは・・・
- 初心者が買う電動リールはシマノとダイワどっちがいいの?
- ダイワのレオブリッツとシーボーグは何が違うの?
- 中古と新品どちらにする?
- バッテリーは買う?船のを使う?
今回は1つ目「シマノとダイワどっちがいいの?」問題についてです。ちなみに私はダイワにしました(その理由はこのあと)
電動リールがほしくなったきっかけ
コロナが流行りだしてから、密にならない遊びとして始めた船釣り。
月1回のペースでアジ釣りに行くようになり、東京湾の浅場に始まり千葉の金谷や観音崎沖の深場にも行ってきました。
アジは食べても美味しいので家族にも好評でした。刺し身、たたき、なめろう、ゴマアジ、アジフライ、南蛮漬けなど、東京湾の脂の乗ったアジはどんな食べ方でも旨い!
ただ、アジは釣れるときは数が釣れるんですよね。半日船でも60匹連れたことがありました。
そうなると数日アジ料理が続くことがあって、だんだん「アジ釣りに行く」というと「そんなに釣ってこなくていいよ」と言葉をかけられることがありました。
タチウオ釣りにも手を出す
そこで思い出したのが、いつも行く川崎の船宿「つり幸」で、いつもアジ船の隣に泊まっているタチウオ船。
勇気を出して一人で乗合船に乗ってきました。
レンタル竿のリールは手巻き。
船で「初めてなんです」と伝えると、松坂大輔似の童顔の仲乗りのお兄ちゃん(アジ釣りで何回かお世話になってる)が、エサの付け方から誘いの入れ方まで優しく教えてくれました。
その日の釣りは走水付近の水深50m。
仲乗りのお兄ちゃんが教えてくれたしゃくり方が合っていたようで、すぐにアタリがありました。アタリのあともそのままシャクリを続けていると、グーンと重くなり完全にフック!
そこから、パワフルなタチウオとの手巻きリールならではのスリリングなやりとりが始まりました。
ときに引き込まれそうになりながら、どうにか水面まで上げて初取り込み。
60センチを超える魚体は、それまで大きくても30センチくらいのアジを釣ってきた自分にとっては衝撃的な大きさでした!
引きも段違いに強くてスリリング!
またアジは針を動かさないことが大事ですが、タチウオは逆に常にシャクって巻き続ける、積極的な釣りです。これはおもしろい!
結局その日は必死に釣っているうちに10匹も釣りあげました。
家に帰った後はうれしいサプライズも。タチウオは刺し身、炙り、ムニエル、塩焼き、フライなど、どう料理しても旨い!
というわけで初めてのタチウオは楽しいし旨いし家族にも大好評でした。
2度目のタチウオで電動リール購入を決意
味をしめた私は1か月後、またフルレンタルでタチウオ釣りに行きました。前回と違うのは、季節が真夏で気温が35度にもなったこと。
この釣りは途中から苦行になりました。
タチウオ釣りでは、あたりがあっても乗らなかったときはエサが傷ついており、そのままだと全く食わなくなる。
エサを換えるには手巻きだと2〜3分ひたすらリールを巻くことになります。
魚が付いていないと分かっているのに、重いリールを巻き続けるのは、心理的にも肉体的にもつらい作業です。
右隣は私と同じくレンタル手巻きの初心者グループだが、暑さと疲れに参って休憩するメンバーが。
私は根性で巻き続けましたが正直最後はうんざり。
そんな中、余裕で続けていたのは左隣の電動リールを使うベテランさん。
50m巻き取るときも、指一本でウィーンといとも簡単に巻き上げます。数も4匹しか釣れなかった私の何倍もバンバン釣り上げてます。
しばらく見ていると自分よりずっとひんぱんにエサの状態をチェックし交換してる。
深場だと、これやろうとしたら電動リールがないと無理だ・・・
こうやって2回目のタチウオ釣りで手巻きリールの限界を知った私は、電動リールの購入を決意したのでした。
初めての電動リールはシマノかダイワか
さてここから電動リール選びについて。
初心者には高級なものはいらないだろうと思い、とにかく安いものを探しました。
しかし電動リールの場合、初心者向けであっても実質シマノとダイワの2択のようです。
具体的にはシマノ「フォースマスター600」とダイワ「レオブリッツ200J」「シーボーグ200J」が一番安価な部類に入ります。
この3種に絞って、カタログスペック、価格、各社のアピールポイント、実際の使い勝手、を調べていきました。
カタログスペック(重量・パワー等)
まず、シマノ「フォースマスター600」、ダイワ「レオブリッツ200J」「シーボーグ200J」の代表的なカタログスペックです。
フォースマスター 600 | レオブリッツ 200J | シーボーグ 200J | |
重量 | 490g | 480g | 490g |
最大ドラグ力 | 10Kg | 8.5Kg | 10Kg |
巻上速度 (1Kg負荷) | 148m/分 | 150m/分 | 155m/分 |
標準糸量 | PE2号300m | PE2号300m | PE2号300m |
シーボーグが他の2種よりパワー・巻上速度で上回っていますが、それでも差は小さい。
これだったら初心者の自分には差が分からないと思い、他の要素で決めることに。
価格
自分にとって一番のネックになる価格。
フォースマスター600とレオブリッツ200Jが同じくらいの価格帯(2023年8月時点で5.5万円)で、シーボーグは1万円強高い。
性能が似ているせいか価格も大差なしでした。
それにしても電動リールはやっぱり高い!
機能は最低限(電動巻上げ機能と水深表示のみ)、パワーも控えめ、パーツも安価なものでいいので、初心者向けモデルを作ってもらいたいところです。
そうしないと釣りの裾野が広がらず、しぼんでいく気がして、シマノさん・ダイワさんぜひお願いします!
今の値段はこちらから確認できます。
各社のウリ
気を取り直して、各社のウリの機能を確認しました。
シマノ「フォースマスター600」
シマノの「フォースマスター600」のキャッチフレーズは「すべてを手中にするパワフルコンパクト」とのこと。
そのウリは
- 「タッチドライブ」というボタンで指一本で巻き上げを制御できる。初速は好きな速度にセットできるので、タチウオ釣りなら早く、口の弱いアジなら遅くなど
- クラッチを押すだけでON/OFFが繰り返せる「スピードクラッチ」
- 大型液晶画面で設定が楽
ダイワ「レオブリッツ200J」「シーボーグ200J」
ダイワの「シーボーグ200J」のキャッチフレーズは「Small Monster」。
弟分の「レオブリッツ200J」と共通するウリは
- JOGパワーレバーで巻き上げを制御できる。リールをつかんだ手を動かすことなく、親指でレバーを押すだけで超低速から最高速まで制御可能
- モーターON/OFF連動クラッチ。巻き上げている途中でクラッチオフにしたらモーターOFFになり落ちていく。クラッチを入れたら元の速度で巻き上げ再開
- 大型液晶画面で設定が楽
各社のPRポイントを読むだけではどちらも良さげで判断できず。
実際に触って確認せねばということで釣具屋に行きました。
使い勝手
最後は釣具屋で実物を手にして使い勝手を確認。
シマノとダイワで大きく違ったのは「巻上げ機構」と「クラッチ」の2点です。
個人的な感覚ですが圧倒的に私に合ったのはダイワの巻上げ機構「JOGパワーレバー」と「これまでのクラッチ」。
それぞれを詳しく見ていきます。
巻上げ機構
巻上げ機構はシマノが「タッチドライブ」、ダイワが「JOGパワーレバー」と呼ぶもの。
これは、ダイワのJOGパワーレバーが使いやすすぎました。
JOGパワーレバーとは、クラッチやサミングを操作する親指で、巻上げを開始・停止するレバーを操作するというもの。
【JOGパワーレバーの片手操作】
レバーを少し押し上げるとゆっくり巻上げ開始、そのまま奥まで倒せば全速で巻上げ、微速から全速まで親指をちょこっと動かすだけで、微調整までできる。
しかも、クラッチ操作やサミングするところから親指を動かすことなく、自然な動作で巻上げ開始が可能。
実際の釣行で初めて使ったときも、1回目の巻上げから迷うことや手間取ることなく、直感的に操作できました。
ネットで「電動リール界のiPhone」と言っている方がいましたが、それくらい誰でも直感的に使えるものになってます。
対するシマノは、ダイワが特許を持っているためこの機構にすることができず、ボタンを押して巻上げ速度を増減する「タッチドライブ」という仕組みにしています。
しかしタッチドライブはスペースの関係でどうしてもJOGパワーレバーほど自然に使える位置に配置できず、ヨイショと指を動かす感じになります。
【シマノのタッチドライブ】
シマノがイマイチというわけではなく、ダイワのJOGパワーレバーが便利すぎて、巻上げ機構については私はダイワが圧倒的に好みです。
クラッチ機構
クラッチ機構については、ダイワは保守的で、シマノが攻めてます。
シマノのクラッチは「スピードクラッチ」と名付けられていて、クラッチの場所はON/OFFで変わらず、押すだけでONとOFFが切り替え可能。
シマノのHPではこのように説明されています。
クラッチレバーを押すだけの簡単操作でクラッチON/OFF切替が可能。スプールをサミングした状態でクラッチ操作ができるので、煩わしいバックラッシュを防止します。さらに、スプールを指で押さえたままクラッチ切替がスピーディに行えるので狙いのタナがズレることもありません。
しかしこれが私には逆に、クラッチのON・OFFが直感的につかめない気がしました。
実際には仕掛けが落下していればOFF、止まっていればONなので、あまり気にならないかもしれないが、それでもクラッチON/OFFのときはこれまで通りクラッチレバーは違う位置にあったほうが分かりやすい。
それに対してダイワのクラッチは、これまでと変わらず、押し込んだら(OFFにしたら)そこで止まり、ハンドルを回したりクラッチの隣のボタンを押すと、クラッチの位置が戻りONになる、使い慣れた普通のクラッチです。
シマノはクラッチの位置だけではON/OFFが分からず、私にはダイワのこの昔ながらのクラッチの方が合いました。
【まとめ】初心者向け電動リールはシマノかダイワか
小型電動リールについて、シマノ(フォースマスター)とダイワ(レオブリッツ・シーボーグ)を、ネットの情報と実際に触って比べた結果は以下の通りでした。
- 重量:互角
- 価格:互角(ダイワ「シーボーグ」は高め)
- 使い勝手:「巻上げ機構」はダイワのJOGパワーレバーが便利。「クラッチ操作」は好き嫌いが分かれるかも
というわけで初めての電動リールは、シマノの巻上げ機構がダイワ並みに進化しない限り、ダイワを選んでおけば間違いないと思います。
もちろんシマノのリールを使い慣れている人、釣具は全てシマノで揃えている人にとっては、シマノのフォースマスターもいい選択肢だとおもいます。
■お知らせ■
電動リール・バッテリーに関する疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です)
※いただいたコメントは全て拝見し、真剣に回答させていただきます。