電動リールを買うと、次は自分のバッテリーがほしくなりました。
そう、電動リール用のバッテリーは高いんです。
そんな中、釣り船で隣のベテランさんから「仕事で使う道具でバッテリーを自作したので、安く済んだ」と聞きました。
自分で作るのは無理だろうなと思いつつダメもとで調べると、簡単に作れそう。
やってみたところネットで3つ部品を買って組み合わせるだけ、制作時間は約5分。(かかったお金は私の場合、本体約5千円+充電器約3千円)
できあがったバッテリーは700gと超軽量ながら、タチウオ釣りで1日使っても残量が半分残るほどパワフル。
大満足な電動リール用バッテリーができあがりました。
今回はその制作方法と、実釣での実力の確認結果をご紹介します。
バッテリーが高くて電動リールを買うのをためらっている人は、こんな解があることをぜひ知ってほしい!
※今回のバッテリーの利用法は、本来の目的外のため保証対象外となります。電動リールも純正バッテリー以外の利用による故障は保証対象外です。また、このやり方で私の電動リールは問題なく動いていますが、全てのリールで問題なく動くかは分からず、また将来的に事故など発生しないかは約束できず、自己責任にてお願いいたします。
電動リールを買うとバッテリーが欲しくなる理由
電動リールの電源は、船の電源を使う方法と、自分のバッテリーを使う方法の2つがあります。
船の電源は電圧が不安定になりやすく、リールが動かなくなったりするため、自分のバッテリーを持参することがお勧めだそうです。
■ダイワの電動リール取扱説明書より■
電源について
船電源は、発電機や配線の関係で電圧が不安定になりやすく、リールの保護回路が働いて回転が停止したり、断続的になってしまうことがあります。リールの性能を充分に発揮させるためにも、電動リール専用バッテリーをご使用ください。
市販の電動リール用バッテリー
市販の電動リール用バッテリーは①安くて重い鉛のバッテリー、②高くて軽いリチウムイオンバッテリーの2種類があります。
鉛のバッテリー
鉛のバッテリーは安いのがメリットですが、自動車のバッテリーをイメージしたら分かるように重いのが難点。
ダイワの「タフバッテリー12000」は1万円台ですが、4キロもあります。
ただでさえ釣りは荷物が多いのに、追加で4キロは私には無理・・・
リチウムイオンバッテリー
リチウムイオンバッテリーは軽いものの、値段が高いのがネックです。
ダイワ「スーパーリチウム」、シマノ「電源丸」ともに重さは1.7Kgと比較的軽いのですが、価格は約6万円もします。(価格は2023年8月時点Amazonにて)
電動リールで5万円以上もかかりながら、さらにバッテリーで同じくらいのお金がかかるのは痛すぎます。
第三のバッテリー:自作
電動リール購入前に行ったタチウオ釣りで、隣の席のベテランさんと話す機会がありました。
まだどのリールを買うか迷っていたので、その方の電動リールの使い心地を聞いていたんですが、その方がふと言いました。
それを聞いた私はこう思いました。
しかし家に帰って調べたところ、とても簡単な自作の方法があることが分かりました。
電動リール用バッテリーの自作方法
電動リール用バッテリーの自作は超簡単で、部品を調達して組み合わせるだけでした。
部品は3つだけ、全てネットで調達できます。
組み立ても、はんだ付けが不要などころか、ネジ止めすらいらなく、手で部品をつなぐだけです。
部品の調達
購入が必要な部品は3つ。
- マキタの電動工具用のバッテリー
- マキタのバッテリーを電動リール用にするケース
- ①のバッテリーの充電器
②がキモで、これを自作して売ってくださる方がいるおかげで、ものすごく楽に作れます。
①マキタの電動工具用のバッテリー
これがないと始まらないマキタの電動工具用のバッテリー、電圧14.4V・容量6Ahのものを準備します。
純正品は1万円以上しますが、互換品が多く出回り価格競争が起きています。
私は2千円台の互換品を買いましたが、Amazonのレビューで評判がよく、サクラ度※が低いものを選びました。
※Amazonのレビューは不自然に大量に高評価がついていることがあります(サクラが高評価のレビューを投稿している)。それを見抜くには「サクラチェッカー」が便利です。Amazonの商品のURLを入れるだけでその商品のレビューのサクラ疑惑度を教えてくれます。
マキタのバッテリーを電動リール用にするケース
これが今回のキモで、市販の防水タッパーのフタにU字端子を付け、マキタのバッテリーにつなぐ配線も付けて売ってくださっている方がいます。
Amazon・楽天・Yahooショッピングで買うことができます。私が買ったときは防滴ヒューズ付きが2千円台半ばでした。
ご本人のブログを見ていると、最初は自分のために作っていたものを販売するようになったようです。
元のタッパーは100均のもののようですが、U字金具・配線コード・ヒューズ・バッテリー用端子などの部品をそろえて配線し、電動ドリルや六角レンチでタッパーの加工をしたり、という手間はかなり面倒そう。
手間を考えるとこの値段で売ってくださるのはありがたい。
マキタのバッテリーの充電器
マキタのバッテリーには専用の充電器が必要です。
気をつけないといけないのは、急速充電対応外のバッテリーを使う場合、充電器は急速充電しないものを選ばないといけないということです。
これも私はAmazonのレビューとサクラチェッカーを参考に、2千円台の互換品を買いました。
バッテリーの組み立て
部品がそろったら組み立てです。
といっても、はんだ付けが不要などころか、ネジ止めすらいらなく、手で部品をつなぐだけです。
5分もかからず終わりますが、あえて手順を分けるとこんな感じ。
- ケースのフタから伸びる端子をバッテリーにつなぐ
- バッテリーをケースに入れ、フタを閉める
①ケースのフタから伸びる端子をバッテリーにつなぐ
ケースのフタにはU字端子がついていて、そこから配線が伸び、バッテリーと接続する端子(黄色いパーツ)が付いています。
その黄色い端子をマキタ互換バッテリーの上部にガチャンという感じで差し込みます。
工具は不要で手で押し込むだけです。
②バッテリーをケースに入れフタを閉める
ケースのフタにバッテリーがつながった状態なので、バッテリーをケース本体に入れて、
ケースのフタと本体を、ケースの留め具でパチンと留めます。
これで完成!5分もかからず終わると思います。
重さを測ってみると691g。船に持ち込むためにカバンに入れても気にならない重さです。
マキタの充電池は手のひらサイズなので、ケースに入れても片手で持てるくらいの小ささ。
私の買ったバッテリーは残量を表示する機能もあり、それもまた便利です。
充電するときは、ケースからバッテリーを外し、充電器にガチャンとはめ込んでしばらく待ちます。
バッテリーの自作方法まとめ
電動リール用バッテリーの自作はとても簡単。
- ネットで部品(バッテリー、ケース、充電器)をそろえる
- バッテリーとケースをつなぐ
だけです。
次に実釣でパワーと電池の持ちを調べました。このページ下部に続きます。
実釣でパワーと電池の持ちをチェック
安く簡単に作れても、電動リールのバッテリーとしての性能(パワーと電池の持ち)がイマイチだったら意味がない。
というわけで実際に使って試しました。
買ったばかりの電動リール(ダイワ シーボーグ200J)の初使用も兼ねて、タチウオ釣りに。
なお、このバッテリーは端子がむき出しなので、なにかバッグに入れようと家の中を探したところ、子供が使っていたポケモンのお弁当袋がぴったり。
船には似合いませんがこれに入れて持参しました。
パワーはどうか?
小さくて見た目はかわいらしいバッテリーですが、パワーは全く問題ありませんでした。
これは当日釣れた最大の指4本サイズのタチウオで、針にかかったときは、竿が引き込まれて引き起こせないほどでした。
しかし慌てずに電動巻取りをONにすると、シーボーグの巻上げ力とこのバッテリーのパワーが合わさり、すぐ巻上げが始まりました。
強い引きを感じながらも、勢いが落ちることは全くありません。
魚とのやり取りの主導権を完全にこっちが握っている感じで、ときどき魚が抵抗して引き込まれるのも心地よく感じるほどです。
魚がかかっていないときと同じスピードで、グイグイと巻き上げることができました。
このバッテリー、サイズは小さいですがパワーは全く問題なしです。
電池の持ちはどうか?
電池の持ちはどうか?
この日の釣り場は観音崎沖、棚は60〜50mとタチウオ釣りでは中くらいの深さで、手巻きリールだと最後はつらくなってくる深さです。
実釣時間は午前8時から午後2時の6時間。
その間、電動リールとこのバッテリーで、約50mの深さからタチウオを16匹釣り上げ、その数倍の回数エサのチェックのため巻上げを行いました。
つまり6時間の間に最低50回は巻上げをしましたことになりますが、巻上げの力が落ちることは全くありませんでした。
また、船の電源だとあるという電圧の不安定さもありません。
終わったあとにバッテリーの残量をチェックしてみると、半分残っていました。
タチウオの半日〜1日釣りならば充分もちそうです。
なお、ダイワ・シマノの純正リチウムイオンバッテリーの容量は11〜12Ahと、今回のマキタ用バッテリーの6Ahと比べて約2倍です。
大物釣りをするならマキタ用バッテリーをもう一個買ってカバンに入れておくと安心かもしれません。
おまけ:使い勝手はどうか?
船の上での取り回しもよかった。
小さいので船べりのエサ置き場に置いておくことができます。
電動リールのすぐ近くに置けて、ケーブルを長く伸ばす必要がないので、初めての電動リールでもケーブルを気にすることなくシャクリ、取り込みを行えました。
また小さく軽いので、荷物を入れたバッグに放り込んで持ち運びが可能。
船の乗り降りなどにも全く影響がないので快適です。
実釣結果まとめ
パワーは申し分なし、電動リールの実力をフルに引き出せます。
電池の持ちも充分、水深50mのタチウオ釣りで6時間使っても半分残っていました。
小さくて軽いので取り回しも最高、荷物が増えることもありません。
今回のまとめ
電動リールにはバッテリー持参がおすすめですが、純正バッテリーは高いので自作という方法があります。
材料はすべてネットで調達可能、組立てにかかる時間は5分程度。
それで700gと軽量、片手で持てるコンパクトな電動リール用バッテリーが手に入ります。
実際に使いましたが、パワーも電池の持ちも充分、小さくて軽いので取り回しも最高で持ち運びも楽です。
バッテリーが高くて電動リールを買うのをためらっている人は、ぜひ
※今回のバッテリーの利用法は、本来の目的外のため保証対象外となります。電動リールも純正バッテリー以外の利用による故障は保証対象外です。また、このやり方で私の電動リールは問題なく動いていますが、全てのリールで問題なく動くかは分からず、また将来的に事故など発生しないかは約束できず、自己責任にてお願いいたします。
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