FOLIO(フォリオ)というサービスをご存知でしょうか。
『日本初のテーマで選ぶ株式投資』をキャッチフレーズに、「これから流行りそう」「〇〇を応援したい」というテーマがそろっており、テーマを選ぶと関連する企業10社に分散投資してくれるサービスです。
テーマは、最近よく耳にするジャンルが多く、例えば「ドローン」「サイバーセキュリティ」「人工知能」「コスプレ」「VR」など。
2018年1月にはLINEやゴールドマン・サックスなどから総額約70億円の出資を受け入れました。日経新聞によると出資の過半がLINEとのこと。
同時にLINEと、LINE上でFOLIOを展開すべく業務提携を結びました。
LINEと、ワクワク感をテーマにした投資信託「FOLIO」が連携。面白そう
サービス概要はこの動画が分かりやすいです。
このFOLIOに投資して6か月、これまでの運用結果はどうだったのか、とそれを踏まえたFOLIOへの期待をご紹介します。
FOLIOの動向
私がFOLIOを使い始めた2018年1月上旬のテーマごとの成績はこのような感じでした。
【2018年1月上旬時点】
ほぼ全てのテーマで、1年間の成績が+10%を超えていますねー。
特に半導体材料とかサイバーセキュリティ、コスプレ、VR、テレビゲームなどは+40%程度とすばらしい成績です。
それが半年経った今はどうか。
【2018年6月下旬時点】
残念!
ほとんどが、マイナス成長となってしまいました。
これはFOLIOだけのせいではなく、株式市場全体が、2018年1月以降下落したことによります。
下の図は日経平均株価ですが、真ん中あたりが2018年1月。ここ1年でピークだったことがわかります。
ただ直近の22,000円台は、ちょうど1年前の2017年7月の約20,000円と比べると+10%。それに対しFOLIOのほとんどのテーマがマイナス。
この差の理由はなんでしょう?
想像するに、同じテーマで集められた企業は、当然ながら同じカテゴリの製品を扱っています。そのカテゴリが伸びれば同じように恩恵を受けるし、縮めばマイナスに働く。
つまりテーマ内で多様性が低いので、リスク分散がされずボラティリティが高くなるのだと思います。
私の買ったテーマはどうか?
私の買ったテーマは「さよなら電柱」
哀愁が漂う名前ですが、こんな背景から、今後伸びる分野だと考え作られたテーマです。
2017年6月、都議会本会議において、電柱新設を禁止する「無電柱化推進条例」が全会一致で可決、成立。都道府県がこうした条例を定めるのは全国初である(日本の無電柱化率は東京23区で7%、大阪市で5%程度)。
電気、電話、水道、ガスなどのライフラインをまとめて道路の地下に埋設する設備「電線共同溝(C.C.BOX)」などを用いて地上の電柱類を道路の下に収める手法が一般的。
このように、景観の阻害要因となっている電柱・電線を「無電柱化」することで、良好な景観が形成されるだけでなく、歩道の有効幅員が広がり、通行空間の安全性や快適性も確保できる。
また、大規模災害(地震、竜巻、台風等)が起きた際には、電柱の倒壊による道路寸断の心配も無くなる。
ロンドン・パリ・香港・シンガポールなど、欧米やアジアの主要都市では概成しており、安全で美しい街並みの一助となっている。
テーマはいい感じですが、構成企業を見ると、以下の通りで電気工事事業に関わる会社が多く、電柱撤去で一時的に業務が増えたとしても、電柱が無くなった後の収益はしぼんでしまうのでは、と気づいたのは、買った後の話。
日本コンクリート工業、コムシス、住友電気工業、フジクラ、古河電気工業、関電工、きんでん、協和エクシオ、ゼニス羽田、タツタ電線
でもこういった新しいテーマ型投信と、伝統的な企業の組み合わせもおもしろく、保有し続けています。
前置きはこれくらいにして、かんじんの半年の運用成績はどうだったか。
じゃーん!!
含み損▲22%!
大幅なマイナスです!!
別の角度から見てみます。
「さよなら電柱」テーマの値動きを日経平均と比べています。1年前の価格からの値動きです。
これを見ると、2017年後半の株価上昇局面では日経平均を上回り(黄色い線がグレーの線の上)、2018年の株価下落〜横ばい局面では日経平均を下回っている(黄色い線がグレーの線の下)ことがわかります。
つまり、このポートフォリオも日経平均よりボラティリティの大きなものなっています。
理由は先ほど考察したように、同じジャンルの企業を集めたため、その業界の動向に大きく左右される(リスク分散がされない)ためです。
まとめ
『日本初のテーマで選ぶ株式投資』Folioは、同じジャンルの企業を集めてテーマを組む、というサービスの性質上、どうしても市場平均よりボラティリティの高いものとなってしまいます。
私の場合、6か月で▲22%という大幅マイナス。
あるテーマの業界が下落局面の場合、テーマに含まれる企業はみなその業界のため、市場平均よりも成績が悪くなります。
それはそれで、上がった時のリターンが大きく夢があるので、FOLIOの魅力の一つだと思っています。
ただ一つ改善してもらいたいのが、『積み立て(自動引き落とし)への対応』です。
ボラティリティの高いものほど、購入のタイミングによる影響が大きく出てしまう。そのリスクを小さくするのが、自動積み立てです。そして運用に回す資産も自動的に増えていくので、FOLIO側にとってもメリットがあるはず。
ボラティリティの高い『テーマ型投資信託』にはぴったりの投資方法だと思うので、ぜひとも導入してもらいたいものです。
なお自分の「さよなら電柱」は2020東京オリンピックぐらいまでは塩漬けかな・・・